内皮と外皮
人の皮膚は外皮しかないけれど、住居には2種類の皮膚があります。外装といわれる外側の皮膚と室内側の内装による皮膚。
その昔、日本の建築の材料は木や土という自然素材に限られていました。だから内皮と外皮の材料的区別はあまりなかった。ところが現代建築の生産材料は、膨大な種類の工業生産品としての建材ですから、自然素材と工業建材の対立の構図があります。自然派建築は全てを自然素材で作ることで、昔のたたずまいを目指しますが、現実には防火規制や建築の構造規定で、それが難しい都市環境になっているのも事実。
建築の内皮と外皮は要求機能がまったく違っています。内皮は住人に顔を向け、外皮は環境や社会に顔を向けている。このことを考えると、この両者に対する顔の作り方は区別されて当然。外皮は内皮に比べて自由性がないのです。
建築に100年以上の寿命を求めるなら、最終外皮は洋服を脱ぐように、あるいはりんごの皮をむくように取り替えられるといいなと思います。最終外皮に求められる材料機能は、防汚性、防火性、耐久性という自然素材が不得意とする機能。ここで無理して自然素材に執着することはないという考え方もあっていいでしょう。
最近のリファイン建築のあっと驚く七変化事例を見ると、最初から50年後の着せ替えを想定するのが、これからの最終外皮のあり方のように思えてなりません。ところが自然素材(たとえば土壁)にはそれを許さない永遠性が求められる。
内装に比して、外装を自然素材で構成するかどうかは、単なる趣味の問題ではすまない。かなり大きなジレンマです。
- 2008/10/17(金) 15:35:02|
- 2008年10月
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