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Forest Symbiosis Theory

Concepts of forest symbiosis housing and forest medicine for foreigners.

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北海道建物探訪 「旧置戸営林署」

北海道建物探訪

 もう20年以上前、憧れの建築家、黒川哲郎先生のお手伝いをさせていただいた時期がありました。その時担当した北海道置戸営林署の建物を見てきました。雑誌「新建築」の撮影で訪れて以来20年ぶりです。置戸を木工工芸の町にしようというコンセプトで街づくりが始まったばかりの時でした。平原の中に巨大なUFOが降り立ったかのような未来的外観は20年以上経っても色あせていませんでした。


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<20年以上経っても全く色あせていない斬新なデザイン>


 職員の方に内部を案内していただき、署長にもご挨拶。建設当時を知っているという職員の方もいらっしゃいました。入口を入って階段ホールの吹き抜けや、心棒のない螺旋階段ホールの吹き抜けは塞がれて床が張ってありました。職員の数が増えて床面積が足りなくなった為やむを得ずとの事でした。


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<玄関ホールの吹き抜けは塞がれ階段だけが残っていました>

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<芯柱のない螺旋階段。芯がなく握り棒手摺がついています。がたつきも歪みも全くありませんでした>



 唐松丸太の立体トラス構造は大工さんの手刻みでくみ上げられたもので、その迫力は当時と変わらず。ただ時々緩んだボルトが落ちてくることがあると笑って話してくださいました。


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<唐松の丸太の立体トラスの無柱空間の事務室>


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<丸太の接合部を集製材ブロックが受けています>


 冬も暖かいしガラスの結露もないとの事。置戸の冬の寒さは半端ではありません。当時結露の勉強をしたり唐松の狂わない乾燥法を調べたりと大変だったことが懐かしく思い出されました。


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<ストーブの排熱を窓下から送り込んでコールドドラフトを防いでいます>


 今は組織改変があって網走中部森林監督署と名称変更がありました。林業行政はどこも大変ですが「建物のデザインが林業のイメージを変えることが出来る」という予感がこの建物を見ると湧いてきたものです。林業の革新的構造改革が起こり、明るく展望のもてる未来へ。遠い北の地で20年間ひたすらそれを待ちながら、自らのデザインの革新を保ち続けているこの建物にある種のペーソスを覚えました。


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<最果ての北の地で健気にずっと建ち続ける。日本の林業の未来を信じて、、>





「木の凄い家」本舗
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  1. 2013/05/07(火) 09:57:36|
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建物探訪その2大多喜町編

 大多喜町建物探訪

 千葉県の大多喜町で新築の計画があり,現地調査と情報を集めに大多喜町の役場に行った。前回訪れたのは10年位前だろうか。当時から老朽化による建て替えの話が出ていたが、名建築ゆえに新築をすることは止めて改装+増築が施される事になったと聞いていた。コンペに勝ったのは東大の千葉学さんで、エントランスの軸線を合わせてハイサイドの自然間接光が特徴的な新庁舎が増築されていた。

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<手前が増築された新庁舎、奥が旧庁舎である>



 大多喜の役場といえば故今井兼次先生の名作で私が学生の頃、一番最初の設計製図はこの建物の図面のトレースであった。当時今井先生は名誉教授としてまだご存命だったと記憶しているが、そんなに凄い建物には見えなかった。当時は建築を見る目もなかったということだろう。


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 この建物は昭和34年の日本建築学会賞を受賞した作品だから、すでに50年以上前に立てられたものである。当時は大多喜村役場といったが周りには建物などなく、のどかな過疎の田舎に何故こんな名建築が生まれたのかは不思議である。



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<トップライトにも優れたデザインと職人手作りの技の痕跡が>

 

 ところが、今の大多喜町は本当にいい所で観光客も多い。古く手入れされた建物が多く町並み保存の意識も高い。公共建築物もよくデザインされ、建築家の手が入っていると思われるものが多かった。このような建築コンシャスな街づくりの意識を作ったのは、きっとこの役場の建物だったのだろうと思う。何もない名もない村のたった一つの名建築。この建築の果たした役割は大きかったに違いない。





「木の凄い家」本舗
  1. 2013/05/28(火) 13:56:55|
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プロフィール

Toshiya Ochiai

Author:Toshiya Ochiai
落合俊也(おちあい としや)
Toshiya Ochiai

建築家/ 森林・環境建築研究所 代表
Forest Baubiologie Studio Inc.


森林・環境建築研究所 Web Site

[Forest Baubiologie Studio]
http://www.fb-studio.jp/

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