FC2ブログ

Forest Symbiosis Theory

Concepts of forest symbiosis housing and forest medicine for foreigners.

月的寓居Ⅱ建築レポート(その15)

 ポスト高気密主義への過渡期

 この10年で住宅の高断熱高気密化への意識は相当に高まりました。高断熱高気密は確かに省エネルギーや熱環境の快適化に役立ちます。しかし結露の問題を助長させてしまったことも事実です。
 日本では結露問題を気密と換気で解決するという方法が取られました。結露問題を定量的に解決するにはこの概念が分かり易かったからだと思います。それに比べて透湿性や調湿性は数値化するのが難しく明快ではありません。でもこちらのほうが生物的で自然だから魅力的です。さらには低炭素社会の要請に反して性能値の高い断熱材や気密材が石油化学製品になってしまう現実も見極めなければなりません。
 時代は単なる高断熱高気密から次の時代へ向かうと思っています。高断熱で透湿し、調湿能力があり換気も有効に働かせる自然素材の壁-これがやっぱり理想なのです。

 さて、このUジロウ邸はどのようになっているか?
この家は外張り断熱が基本です。しっかりと断熱気密の施工をし、換気能力を確保することで結露を防ぐ。これは現在の高断熱高気密理論の上にあります。それを崩すことなく、さらに調湿と吸音性能を確保するために天然ウールを充填しています。天然ウールの長所を利用し短所をカバーするにはこの方法がいいと思います。

 高性能断熱材と天然素材のハイブリッドは理論と感覚のハイブリッドでもあります。私個人的には、この家がポスト高気密時代へのターニングポイントに位置すると思っています。



IMG_1822_convert_20100113095844.jpg
<天井に充填された天然ウール断熱材は調湿と吸音にも一役買います。>





スポンサーサイト



  1. 2010/01/18(月) 18:06:41|
  2. 調湿/断熱・日本基準
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

月的寓居Ⅱ建築レポート(その16)

 彫刻のような?左官

 いよいよ大工工事も終わりに近づき左官工事が佳境に入ってきました。手作業の温もりや人間的自然さを込める左官屋さんの仕事は空間作りには大変重要です。一般住宅ではボードにビニールクロスを張って作る壁、天井が多いのですが、私は居住空間には左官仕事は欠かせぬ工程だと思っています。

 現在、室内の漆喰塗りの前に外壁の下地工程の塗り込みに入っています。コーナー出窓のアール部分の形状が難しく、打ち合わせどおりに行かず、職人さんも考え込んでしまいました。削り取ってやり直しという結果は気の毒でした。左官屋さんだか彫刻家だか分からない状況になってしまいました。

 世間では建築の職人さんが手間を惜しむ風潮にあります。手間をかけ想像力と技術を発揮してこそ職人のプライドが保てるはずなのに。建築の職人がプライドを発揮するような仕事内容を求められていない。この事が物つくりの危機的環境を生む原因となっているのです。

 いやな顔ひとつせず、より良い物を目指してやり直す我々の職人さんに一筋の希望を見出しました。




IMG_1891_convert_20100125161948.jpg
<せっかく塗ったんだけどな~>




IMG_1901_convert_20100125162027.jpg
<仕上がりが楽しみです>





  1. 2010/01/25(月) 16:12:19|
  2. ムーンハウジング/月的寓居
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

Toshiya Ochiai

Author:Toshiya Ochiai
落合俊也(おちあい としや)
Toshiya Ochiai

建築家/ 森林・環境建築研究所 代表
Forest Baubiologie Studio Inc.


森林・環境建築研究所 Web Site

[Forest Baubiologie Studio]
http://www.fb-studio.jp/

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる