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Forest Symbiosis Theory

Concepts of forest symbiosis housing and forest medicine for foreigners.

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月的建築術(その37)

 新築からリファインへ「建築行為のパラダイムシフト」

 まっさらな土地にゼロから新築するのと、既にある建築を変化させて再利用するのとではどちらが価値ある行為でしょうか?
 再利用のために建築を廃棄することなく生まれ変わらせることをリファイニングと言います。今までのような増改築とは次元の違う「生まれ変わり」を意味します。生まれ変わりですからまっさらのおニューではなく過去の生を引き継いでいます。生まれた時から過去がある?これって面白い価値だと思いませんか?時間の価値は今も昔も平等です。時間経過の価値だけは簡単に作り出せない。
 
 新築よりもリファイニングをするメリットは、コスト面や二酸化炭素排出量削減をはじめ様々あります。近年、地球環境保全を中心に据える価値観が定着してくるにしたがって、建物を再生して使うこと自体が経済価値指標の上位に来る時代が来ていると思うのです。
 もし次のオリンピックが東京に招致されたら、前のオリンピックの施設をリファインして再生させ新しい施設の建設は最小限にする計画があると聞いています。そのときリファインニングの画期的な素晴らしさがデモンストレーションされ、多くの人の目からウロコが落ちることになると思います。リファインされた都市は過去の記憶を引き継ぐ歴史的都市の新しい形を予見させるからです。

 そうは言ってもあまりにお粗末な住宅が集積している我が国。こんな家、リファインする価値がはたしてあるのか、あるいはリファイン可能なのかという疑問も当然起こります。
 壊すしかしょうがないよな~、、、いやいやそんな程度の家こそリファインする価値がある。難しいけれど、それこそがこれから求められる新しい建築の価値であり技術なのだと思うのです。

 逆にいうと、そのような方向に建築の価値指標がシフトチェンジしなければ、今の混沌とした都市は2度と再生することはないかもしれません。




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  1. 2008/10/09(木) 16:49:55|
  2. 環境効率/資産価値
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月的建築術(その38)

 内皮と外皮

 人の皮膚は外皮しかないけれど、住居には2種類の皮膚があります。外装といわれる外側の皮膚と室内側の内装による皮膚。

 その昔、日本の建築の材料は木や土という自然素材に限られていました。だから内皮と外皮の材料的区別はあまりなかった。ところが現代建築の生産材料は、膨大な種類の工業生産品としての建材ですから、自然素材と工業建材の対立の構図があります。自然派建築は全てを自然素材で作ることで、昔のたたずまいを目指しますが、現実には防火規制や建築の構造規定で、それが難しい都市環境になっているのも事実。

 建築の内皮と外皮は要求機能がまったく違っています。内皮は住人に顔を向け、外皮は環境や社会に顔を向けている。このことを考えると、この両者に対する顔の作り方は区別されて当然。外皮は内皮に比べて自由性がないのです。

 建築に100年以上の寿命を求めるなら、最終外皮は洋服を脱ぐように、あるいはりんごの皮をむくように取り替えられるといいなと思います。最終外皮に求められる材料機能は、防汚性、防火性、耐久性という自然素材が不得意とする機能。ここで無理して自然素材に執着することはないという考え方もあっていいでしょう。

 最近のリファイン建築のあっと驚く七変化事例を見ると、最初から50年後の着せ替えを想定するのが、これからの最終外皮のあり方のように思えてなりません。ところが自然素材(たとえば土壁)にはそれを許さない永遠性が求められる。

 内装に比して、外装を自然素材で構成するかどうかは、単なる趣味の問題ではすまない。かなり大きなジレンマです。



  1. 2008/10/17(金) 15:35:02|
  2. 環境効率/資産価値
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月的建築術(その39)

 絹織りの八重衣「SILK-HUT」の由来

 八王子市絹ヶ丘にある我が家の名称はSILK-HUTといいます。HATではなくHUTであるところがミソです。直訳すれば「絹織りの家」ですが、これは地名が絹ヶ丘であること以外にも大切な意味合いを含んでいます。

 前回、内皮と外皮について書きましたが、私は建物の躯体は内皮から外皮まで複合して作るのではなく、その間に各種機能を持つ層を重ねあわせて作るべきだと思っています。①内側最終皮膜②内装下地③ストラクチャー④気密断熱層⑤空気層⑥透湿防水層⑦外装下地⑧外側最終皮膜。SILK-HUTの躯体は、この8重の層がウエハーボードのように躯体を構成する八重の衣なのです。
 
 このように作ることで建築の躯体が持つべき性能を明確にすることが出来ます。壁が呼吸するだの調湿するだのといったイメージに頼る性能論は間違っていると思うのです。
 さらにその上で、それぞれの機能層は複合化されずに分離して廃棄やリサイクル、リユースすることが考えられていることが理想。なぜなら将来的な廃棄時やリファイン再生時に、それぞれが分離できないことは大きなデメリットになるからです。

 建築が工場生産された建材の組み立てで出来る現代では、多種機能を持った複合機能面材が様々に開発されています。断熱性能や防火性、耐候性能を持った複合機能板を貼り付けるだけで建築ができれば確かに楽になる。ですから機能を単一板に集約して工場生産品にし、誰でもが組み立てられるやり方で建築はつくられる様になってしまいました。

 労働に本来的に必要な物作り精神の行き場を担保すると同時に、躯体の持つ性能を明確にするためにも八重衣の躯体作りを実践したらどうかと思うのです。




  1. 2008/10/22(水) 11:12:45|
  2. 調湿/断熱・日本基準
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月的建築術(その40)

 月光浴のすすめ

 太古の昔、人々の周りは神秘に溢れていた。宇宙から、あるいは神からと言ってもいいと思うけど、人はそこから直接の更新や啓示を受けていたに違いない。その事こそが無限に発散する人間らしい喜びであり、満ち足りた幸福であった。
 彼らの周りにあった素朴な創造物は、大きい物も小さな物も全て、太陽や月そして星を経由してくる宇宙からのメッセージの受信機だった。だから祈りも願いもすべて実現する万物見事な調和世界だったろうと想像できる。

 今、私たちの周りには幾重もの機械仕掛けの経済化された鎧がかかっている。だから、なかなか神秘には到達できない。マンションのバルコニーに出て月を見ても神秘を感じることはないでしょ?
 そうして神は死んだ、、、。私たちはただ収束した価値観の中で彷徨いながら絶望することを繰り返している。

 夜中に「月舞台」から月を見ていると、この月だけが幾重もの鎧を突き抜けて、原始の時代から変わらずに人と繫がっているように感じます。太陽とは別物の、その深深とした静かなパワーがかえって我々に古代の心を呼び起こさせるのでしょう。
 圧倒的な静かさと力強さ。この相反するエネルギーを同時に全身に浴びると、夜中だというのに思考はどんどん深まって宇宙に拡散してゆきます。この月の効用を享受しないのは余りにも勿体無いと思うのです。

 高僧は月を見て悟りを開く。秋の長く澄んだ夜、月の光を浴びながら瞑想の時間を過ごしてみたらいかがでしょうか。

 現代住居にこそ、そんなことが出来る場所が必要でしょう。




  1. 2008/10/28(火) 17:08:51|
  2. ムーンハウジング/月的寓居
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プロフィール

Toshiya Ochiai

Author:Toshiya Ochiai
落合俊也(おちあい としや)
Toshiya Ochiai

建築家/ 森林・環境建築研究所 代表
Forest Baubiologie Studio Inc.


森林・環境建築研究所 Web Site

[Forest Baubiologie Studio]
http://www.fb-studio.jp/

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