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Forest Symbiosis Theory

Concepts of forest symbiosis housing and forest medicine for foreigners.

年始の御挨拶

年始の御挨拶

 月的寓居入門moon housing http://www.silk-hut.com を開設しました。

 寓居なんて古い言葉ですね。でも住宅と言う言葉がすっかり経済資本の垢にまみれてしまっているので、どうにか別の言葉にしたいと思いました。寓居には世俗を離れた人の住む家の意があります。しかし、ここでは住む人より家そのものが世俗的な作り方から逃れていることを意味しています。
 
 では月的とは何か?
 月は人間の経済活動にはおよそ無関係な存在に見えます。あんなにも巨大で美しく、しかも完璧なプロポーションで姿を変える。これほど美しい天空の存在が無視されているほうが驚きです。現代人が月を見なくなってしまったのは何故でしょう?月の存在を忘れるごとに人は古人の心から離れ、本来的な人間性を失ってゆくように思えます。

 古人と月はずっと密接な関係にありました。昔は太陽暦ではなく月暦で生活していましたから毎月の同じ日は同じ月の形が空にありました。毎月3日には三日月が15日には十五夜の満月が。これって信じられないくらい素晴らしいカレンダーですよね。
 この仕組みを崩したのも実は経済資本の力関係です。その結果1000年のオーダーでこつこつ積み上げてきた日本の伝統文化を簡単に手放しつつあるのです。

 現代人は、その活動のすべてにわたって利益追求型の経済資本に支配されています。衣、食、住、教育、労働、ほとんどすべての分野で彼らの都合でその本質が変えられている。本質が何かをかを見極めるのは非常に難しい状況になっています。
 ここはひとつ月という存在の力を借りて、そのリズムを心にとどめる感性を取り戻しましょう。そうすることで太古から滑らかに連続してきた本来の人の目と心を取り戻す事が出来るかもしれません。
 「月を住人の心に反映させる」 そのような生活を実践するために家の作り方も変えていきましょう。 

 太陽と月の関係のように現代の家つくりの裏側に隠れてしまった月的なもの。そこに家つくりの観点から光を当ててみたいと思います。


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  1. 2008/01/01(火) 01:00:00|
  2. 出来事雑記
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shedule

*1月17日(木)~4月1日(火)
SILK-HUT「月舞台」パネル展示
新宿パークタワー リビングデザインセンター OZONE6F
http://http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/465.html


*1月20日(日)15:00~
東京電力省エネ・エコロジー住宅研究会OB見学会


*1月26日(土)
「未来和風からの提案」落合俊也×木原正道
情報バンク連動セミナー
新宿パークタワー リビングデザインセンター OZONE6F
http://http://www.ozone.co.jp/event_seminar/seminar/seminar_a/detail/501.html


*1月28日(月)13:00~17:00
「建築家の家」見学会
情報バンク室内環境ラボ展示連動
リビングデザインセンター OZONE
http://www.ozone.co.jp/


*2月23日(土)13:00~17:00
「建築家の家」見学会
情報バンク室内環境ラボ展示連動
リビングデザインセンター OZONE
http://www.ozone.co.jp/

  1. 2008/01/01(火) 01:00:00|
  2. 月舞台スケジュール/報告
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月的建築術(その1)

 接地型住居のすすめ①

 建物と月との呼応関係を論じる前に、もっと身近な天体すなわち地球と建物の位置関係について考えてみましょう。地球などというと随分巨視的な見方ですが、要するに我々の足元、すなわち地面と建物がどのようにくっ付いているかという話です。

 木造住宅の場合、床の下にはいわゆる床下空間があります。この空間は室内なのか外部なのかというと最近微妙になってきています。一昔前まで床下は風通し良くといわれて、高床で風が通るすがすがしい床下が理想とされていました。
 建物の耐震性を担保するため、昔からの経験技術が積み上げられて発展してきた伝統工法がある日突然否定され新しい工法に置き換わりました。外周に布基礎が廻るようになると、もう床下にすがすがしさを求めるのは無理です。近代工法は当然気候風土とはマッチせず、結果として現代の木造住宅の足回りには耐震、腐朽、シロアリ、断熱気密性能など問題が山積しています。

 それなら床下などなくしてしまえばいいじゃん!というわけで床と地面が一体化した土間床形式を提案したいと思うのです。土間床といっても土足で上がるわけではありません。はだしで気持ちいい。仕上げは自由。固い床が嫌ならその上を板張りにしてもいいし畳を敷いてもかまいません。


筆者


<筆者自邸寝室の土間床>
 
 
 実は土間床形式にすることで、家の作り方そのものが大きく変わります。しかし、何よりも大きな変化は住居内の熱環境なのです。地盤接地型の土間床を採用することで、地盤の安定した大きな熱容量を室内に取り込むことが出来ます。建物の下の地盤は安定した大きな熱の塊ですから夏は熱を吸収し洞窟のひんやり感を、冬には適度に加えた熱を蓄えて建物自体の基本体温を作ってくれます。これを輻射熱環境といいますが、空気温度制御のエアコンに慣れてしまった現代人にはちょっと理解が難しい。

 「地球と体温を分かち合う家」なんて、、まさに目からウロコ、、、なんですけど信じられます?

 せっかく取り上げた話題ですから、しばらくこの話題をもう少し深く掘り下げてみることにしましょう。実は地球と体温を分かち合う術はなかなか難しいのです。
 Moon housingの最初の話題はEarth housingから。ということで天空を見上げる前にまずは足元からの一歩でした。




  1. 2008/01/08(火) 11:37:45|
  2. アースハウジング/地球体温
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月的建築術(その2)

接地型住居のすすめ②

 今日は成人の日で祝日です。朝から太陽は顔を出さず気温は徐々に下がり、多分この冬一番の寒さ。16時現在で外気温度は3℃を示しています。家の中の温度は18℃でこれは朝からほとんど変わっていません。太陽が出ていれば通常この時間なら20℃はありますからやはり特別寒い日なのでしょう。八王子の山の上(野猿峠)の寒さは都心とはやはり違います。

 室内の18℃は一応快適といえる限界温度だと私は思っています。外がこのように寒くても、土間床に補充する熱だけで家を一日中快適温度内に保温してしまうのですから、地盤の熱容量の威力は絶大です。一般的な床暖房と混同されがちですが、土間はう建物自体に基本体温を作り出すための蓄熱部位ですから、人がいるいないにかかわらず、夜中の安い電気で毎日少しずつ熱の補充を行わなければなりません。

 今、我が家には東京電力の協力で躯体部位の温度測定と使用電力量のデータ採取が行われています。月1万円の電気代(深夜電力)で天井の高い35坪の空間を保温できることを実証しようという試みです。データ集計が終わったら結果をお知らせしたいと思います。

 このような躯体温度制御を行うためには単に熱容量を持たせるだけではだめです。建物が相当の断熱気密性を同時に持ち合わせていなければなりません。断熱気密は壁だけでなく開口部にも求められる性能ですから、結局すべてのスペックがよくなければならないのです。

 エアコンによる安易で不健康な暖房と違って、冬は足元の地球に依存しながら、ぴったりとその懐に抱かれながらの生活を実感することができます。
 この時期の夜、月舞台の大きなガラス窓は白い断熱スクリーンで閉じられてしまいます。そうしないといくら気密断熱高性能サッシでも、これだけ大きなガラスからの放熱は建物躯体の体温に影響しますし、ガラス面からの冷輻射もあるからです。


277-2_20080117092345.jpg

 <幕引きされた月舞台>


 だから極寒の2ヶ月間(1月と2月)はいつも共にいた月ともお別れ。漆黒の闇が広がる月舞台の背景に白い幕が下ろされるわけです。春になれば夜になってもこの幕を開っぱなしにしておける。だから、この幕開けを春を告げるひとつの行事にしたらどうかなと思っています。
 啓蟄のころ、スクリーンの幕開けと共に春の月と久々の対面ということになります。この時ちょうどまん丸なお月様が、あたかも冬の間ずっとそこで待っていたかのように私を暖かく迎えてくれることでしょう。(もしかして新月の真っ暗闇だったりして?)

 
  1. 2008/01/14(月) 16:42:29|
  2. アースハウジング/地球体温
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マイホームプラスVOL.11

 今日21日発売のマイホームプラスという雑誌に、我が杉坂建築事務所が今から30年ほど前に建てたN氏邸の再生リフォーム事例が5ページにわたって紹介されています。新築と同じくらいお金をかけながらの大規模再生プロジェクトです。

 スクラップアンドビルドの建築業界に,壊さないで再生するという新しい価値の指標を作り出したい。建て直すのでなく敢えて再生の道を選ぶ。
 このためには新築以上の何かプラスアルファの付加価値をつけなければなりません。そのことに関して、私がこの計画で一番強調したかった大きなテーマがありました。そこで、小さな文章を書いてコメントとして掲載してもらうことにしました。
 ところがこの企画取材には東京電力がスポンサーがついている関係上、一言でもオール電化リフォームについて触れてほしいという編集からの要望。私は限られた文字数の小さな文章の中で2つのことを言うのは無理と判断し,スポンサーの東京電力の視点からの話題に書き換えることにしました。
まあ自分の判断でしたことですから、どうって事もないんですけどね、、、、、ただ最初に書いた事が行き場所を失ってしまってかわいそうなので、どうせならここで紹介しちゃいましょう。

 
まずは書き換える前のコメントから。

*リフォーム前の宝探し 
 便利にしたい。きれいにしたい。早く安く済ませたい。リフォームの動機はいろいろあるでしょう。しかしこれだけでは経済性以外はすべて新築にかないません。リフォームには新築には実現できない別の価値を見つける必要があります。
 たとえば古い素材がかもし出す時間的重み。建築に使われていた材料には、時間を吸収して味が出る素材もあるし汚くなってしまうのもあります。力のある素材なら時間を経ると古びることでかえって美しさを増すのです。製作に人の手を介さない工業建材に、この力はありませんが、たとえ床柱の一本、建具の一枚でも職人の手の入った自然素材は少し手を入れれば再び輝きを取り戻します。そういったものはそのまま残してあげるべきです。
時間を積み重ねる素材表現ができれば、新築では手に入らないリフォーム独自の価値を持たせる事ができる。だから簡単にすべて変えてしまうようなことはせず、まず残せる素材の発見から始めてみてはいかがでしょう。思わぬ所に磨けば光る宝物を発見できるかもしれません。



0701650004_西田邸_リビング・ダイニング

<再生後のN邸リビング>


こちらは実際の掲載文です。参考のため。


*オール電化リフォームの薦め
 オール電化住宅に人気が集まっています。私もリフォームで設備周りを一新する場合はオール電化をお薦めしています。大規模リフォームの場合、単に空間をきれいにするだけでなく健康性や快適性、経済性も同時に高めなければなりません。したがって躯体の気密断熱性を高めたり、エコキュートで給湯の省エネを図ったり、床暖で冬の輻射暖房空間を確保することはいつもワンセットで考えています。
 今、住宅の裏側にはITその他さまざまな家電製品に対応するインフラ回線が張り巡らされています。リフォームの時、このような回線端末の整理や、容量の見直しが当然必要になってきます。そんなときに入力エネルギーを電気に統一しておくことはトータルエネルギーを把握するためにも都合がいいし、それによって省エネの工夫もしやすくなるのです。深夜電力をうまく使えばエネルギー料金もかなり圧縮され、リフォームの価値があったと満足する事ができるでしょう。


まさに裏舞台のネタあかしですね(笑)





  1. 2008/01/21(月) 22:55:12|
  2. 掲載雑誌・記事
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月的建築術(その3)

 接地型住居のすすめ③

 毎日寒い日が続いています。我が家の建物体温もとうとう16℃まで下がるようになってしまいました。18℃から20℃が設計目標でしたから、最初に室温16度が記録されたときは「あ~あぁ!」と思ってしまいました。
 エアコンで室温を25度位にしている人は大勢います。このような人たちは16℃は相当寒いのではと思われるでしょう。体感温度はいろいろな要素で変わりますから、室温計の目盛りは本当に当てになりません。熱容量が巨大故に建物体温で室温を制御してしまう輻射熱空間では20℃で快適、18℃でもOKという世界なのです。
 地球が太陽から受ける熱と宇宙に放射する熱の収支バランスの結果が、地中の15℃という温度だそうです。だとすれば地球と同一生命体の人間にとっても15℃までは許容できるのでは?などと考えてどうにか現状の16℃を正当化する理由を探したりしてしまいます(笑)


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<地中に埋まった壁と床/部分的に温度が違う複雑な輻射熱空間>


 私の家の場合、地盤接地部位の床壁はコンクリートのまま一切断熱されていません。これは実験的にわざとそうしたもので、これによって地盤下の深さによる温度分布の違いがよくわかる構造になっているのです。床は22℃程度で、ほとんど1日中温度変化なしですが、壁の地上に出ている部分は10℃くらいまで冷えている部分がある。熱容量の大きな建物では冷却部位の輻射熱(正確に言うと熱を奪うスピード)が体感温度に大きく影響します。我が家の温度計がいま18℃を示していると言っても、体感的に本当の18℃とは限らない。足裏接触面(これが体感に大きく影響する)の温度は22℃、一般壁17℃、冷却部位の壁10℃、空気温度18℃という複雑な熱環境なのです。
 いったい私は本当の地球の温度15℃を、体感的に自分のものとして意識したことがあるのだろうか?これを体験するためには床も壁も天井も空気も15℃にすればよいのか?いやいや足裏がくっついている床の熱伝導の速度や、着ているものによっても体感温度は変わるのですから本当に難しい。

 その昔、私に輻射熱の概念を教えてくれたテーテンスの葉山さんが、輻射温度計を振り回しながら家中を案内して下さった事を思い出します。私も気がつくと同じようなことをしている今日この頃なのです。

  1. 2008/01/29(火) 11:48:28|
  2. アースハウジング/地球体温
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プロフィール

Toshiya Ochiai

Author:Toshiya Ochiai
落合俊也(おちあい としや)
Toshiya Ochiai

建築家/ 森林・環境建築研究所 代表
Forest Baubiologie Studio Inc.


森林・環境建築研究所 Web Site

[Forest Baubiologie Studio]
http://www.fb-studio.jp/

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